校長室

校長あいさつ

本校は、頂に垂直な岩壁を配する美しい岩山、陶ヶ岳の麓に位置します。風に揺れる木々と鳥のさえずりがすばらしい、自然豊かな学校です。

 明治40年に創立された私立下関博愛盲唖学校を起源とし、昭和23年4月、県内唯一の聾学校としてスタートした山口県立聾学校を前身としています。平成20年、山口県立山口南総合支援学校と改称し、原則5障害を対象とする総合支援学校に移行しました。

 聾学校最後の年は38名であった在籍者数が、5年後は約3倍に増加し、現在も100名を超える在籍人数が続いている状況です。学校行事も複数の障害種の子どもたちが一堂に会して行われ、大変活気あるものとなっています。また、知的障害児や病弱、肢体不自由の生徒が、手話を使って行事のあいさつを行うなど他障害への理解も進み、行事を通じて連帯感をさらに深めています。

 今年度は、幼稚部2名、小学部9名、中学部23名、高等部70名、合計104名でスタートいたしました。『発達段階に応じた指導、支援を行い、幼児児童生徒一人ひとりの自立と社会参加をめざす』を今年度の教育目標とし、自立に向けた諸能力の向上、コミュニケーション能力向上に向けた取組の充実、安心・安全な学習環境の整備を目指してまいります。

 具体的な取組の中では、「山口県特別支援学校技能検定(きらめき検定)」の実施や「コミュニティスクール」の充実など地域との関わりを推進し、幼児児童生徒の「良さ」を理解していただくような取組や、「喫茶サービス」、「ビルクリーニング」などの実習、生徒が作製・栽培した木工製品、手工芸品、野菜や花などの実習製品の販売といった地域の皆様との交流を深める取組などの充実を図り、卒業後の社会自立に向け、職業人・社会人として必要な資質能力を培ってまいりたいと考えています。この度、グランドに新校舎が建設され、本年度の9月から使用を開始します。新校舎内では、地域の方に気軽に利用していただけるカフェを開設する予定にしております。カフェの名称は、本校のイメージキャラクターである「スワロウベイビーズ」にちなんで、「すわろう(座ろう)カフェ」とすることにしています。

 また、本校は、地域におけるセンター的役割も担っております。聴覚障害教育センターとしては、旧聾学校としての専門性を生かし、他地域のセンターと連携を図りながら、県下全域をカバーする体制を整えています。

 さらに、県央部の視覚障害教育センター、山口防府地域における地域支援室として相談支援体制の整備、充実に努めています。

 そして、「あいさつ」「笑顔」「思いやり」を合言葉に、元気なあいさつが飛び交い、笑顔あふれる明るい学校になるよう、そして、お互いが相手のことを思いやって支えあうような温かい学校になるよう、全校をあげて取り組んでいるところです。


これからも多くの方々に、本校の取組、思いを御理解いただき、本校応援団の一員になってもらいたいと願っております。どうぞよろしくお願いします。


令和5年4月

校長 久冨 貴司